泣けないズートピアと、夢のそれから

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今さらですがズートピア見に行きました。
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ろじねこさんはパーク派ですので、ディズニーの映画には余り興味はありません。

でもDオタの末席に座るものとして

評判のいい新作くらいは見ておかないと

と、思い見に行きました。

そもそもなぜ見ていなかったかと言うと

泣きそうだったからです。

泣く映画は嫌いではありませんが、結構体力がいるので

気分が乗ったときに 部屋でゆっくり見たいのです。

同じ理由で、トイストーリーも未だに「1」しか見ていないと言う

Dオタの風上にも置けないろじねこさんです。

場所は新宿
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こんな事でもないと来ないので…

では恒例の 辛口レビュアーろじねこさん ズートピア斬り
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以降 若干のネタバレを含む可能性があります。

感想から言うと 泣けませんでした。
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ホロっと来るシーンはありましたが「お涙頂戴!」という映画ではありませんでした。

どちらかと言うと アクションやサスペンス要素の強い、良質な娯楽映画です。

さすがディズニー、キャラも可愛く個性豊かで、話もそつなく楽しめるよい映画でした。

ディズニー的な「色々あるけど夢は必ず叶う!」的ポジティブな世界観にアレルギーさえ無ければ、安心して楽しめます。

しかし一部で言われているディズニー最高傑作言うほどではないかと。

さて、この映画の特徴は、叶った夢のその後が書かれている点でしょうか。

ディズニーの世界「夢は必ず叶う」と言う大原則の上に成り立っています。

この映画でもしつこい位 夢は叶うと連呼しています。

これはディズニーランドも例外ではありません。

ランドも「夢が叶う場所」です。

なのでシンデレラ城前で プロポーズをしてもいいのです。

なぜなら夢の叶う場所だからです。

例えそれが自分達以外のすべての人の迷惑になったとしても。

所詮誰かの夢というのは、誰かの迷惑の上にしか成立しないのだから。

言わば弱肉強食。

ズートピアの住民がいくら進化しようと、その原則から解放されなかったように

我々未だ弱肉強食の世界の中で生きているのです。

あとは 主人公のジュディが めちゃくちゃ可愛かったです。

でも表情は かなりアナに似ていたような気がします。

何度もアナがオーバーラップしました。

まさか同じ表情を流用していると言う事はないだろうけど。

でも考えてみると、アナとジュディは 似た者同士なのかも知れません。

二人とも 一本道を前だけ見て進み、この道が幸せな日々へと続くと信じて疑わない。

「アナと雪の女王」で 猪突猛進なアナが壊したものエルサでした。

では「ズートピア」で 純粋すぎるジュディが壊してしまったものは何でしょうか?

パリの同時多発テロの直後、現場のすくそばに目隠しをしたイスラム教徒が手を広げて立っていました。

その人の足元には「私はイスラム教徒です。 私はあなた達を信じています。あなた達も私を信じてくれたら抱き締めて下さい。」との紙があったそうです。

ズートピアの街が不完全だったのは、動物が根元的に忘れる事のできない 恐怖や憎しみを克服出来なかったからだろう。

それらを克服した時に、ズートピアは 本当のユートピアになるのでしょう。

それは人間も同じである。

形は違えど、みんな幸せな社会を望んでいるはず。

(例えそれが自分だけが幸せな社会であったとしても)

しかしそれらを阻むのは、消す事のできない憎しみと恐怖であろう。

人がそれらを克服することが出来たら、きっと世界は一つ

一つの小さな世界になることが出来るのでしょう。

憎しみに身を任せるには、あまりにも人生は短過ぎるのだから。

ズートピアを見ながらそんな事を思いました。

ま、そんな夢みたいなこと本当に出来たらの話だけどね。

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