辛口レビュアーろじねこさん 実写版リトル・マーメイド斬り

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皆さんお久しぶりですろじねこさんです。

最近はめっきり旅行の記事ばかりでしたが、今回は久しぶりにディズニーネタです。

とは言ってもパークではなく、巷で話題の実写版リトル・マーメイドを見てきたので、その感想を辛口レビュアー視点で書いてみたいと思います。

以降、実写版リトル・マーメイドのネタバレと酷評を含む可能性があります。

ネタバレや酷評レヴューを見たくない方は、ここでお引き取りいただくことをおすすめします。

ここまで来た方は、ネタバレ、酷評OKという方ですね?

では、辛口レビュアーろじねこさんによる「実写 リトル・マーメイド」斬りです。

彼女はアリエルをやるべきではなかった。

結論から書くと、少なくともハリー・ベイリーの演じるアリエルは、私の望むアリエルではありませんでした。

ストーリーは細部に変更や加筆がありましたが、概ね原作(アニメ版リトル・マーメイド)に沿ったものでしたので、このブログに来るようなお姉様お兄様方には説明不要でしょうが、軽く説明します。

人魚界のプリンセスであるアリエルは、古い価値観に縛られる父トリトンや人魚界に嫌気がさし、ここではない何処かとしての人間界に憧れを抱きます。

そして彼女は、嵐の夜に人間の王子エリックと出会い、2人は恋に落ちます。

しかし、その事によりトリトンとの亀裂は決定的となり、その隙を見逃さなかった魔女アースラによりアリエルは呪いにかけられてしまいます。

残された時間は3日。

アリエルは魔女アースラの呪いを解き、エリックと結ばれる事が出来るのでしょうか・・・

さて、この映画最大の話題といえばアニメでは白人の様に描かれていたアリエルを黒人のハリー・ベイリーが演じた事でしょう。

出典:実写リトルマーメード公式サイト

発表された時は、大袈裟ではなく世界中に衝撃が走ったといっても過言ではないくらいの騒ぎでした。

ろじねこさんも衝撃を受けた1人でした。

黒人のキャラクターや人物を白人が演じる事は、人種差別の観点から考えると地獄の釜のフタが開きかねないほどの大問題です。

なのに、逆は問題ないのか?

黒人を白人に変えるのは人種差別で、白人を黒人に変えるのは人種差別に当たらないのか?

とはいえ、作品を見ずに判断するわけにはいかないので、今まで基本的には触れずにいましたが、心の奥では不安でいっぱいでした。

そしてその不安は今日現実のものとなりました。

とにかくハリー・ベイリーの演じるアリエルを最後まで受け入れることが出来ませんでした。

アリエルは聡明なキャラクターではありません。

感情的で、世間知らずで、夢見がちで・・・

Dオタ全方位にケンカを売るろじねこさん的にはっきり言うなら、アリエルはバカな子です。

では、そんなアリエルが世界中で愛されているのか?

それは彼女が無垢だからです。

彼女の中には「自分の想い」しかないのです。

子どもと同じなのです。

幼稚で無垢で汚れを知らない少女が、自分の最初の衝動のみを信じ、その衝動に殉ずるように生きているから、きっと彼女は美しいのです。

たとえ愚かなキャラクターだったとしても。

しかし、ハリー・ベイリーにはその無垢さを感じる事が出来ませんでした。

彼女の目や表情や仕草には「強い意志」を感じるのです。

出典:実写リトルマーメード公式サイト

彼女には無垢な少女ではなく、なんとしても自分の望む物を手に入れようとする強い女性を感じるのです。

自分の想いを抑えられず、周りを傷つけ混乱を引き起こす少女ではなく、

自分の周りの全てを傷つけ破壊し、屈服させてでも欲しいものを手に入れようとする強い女性の様に感じるのです。

ひょっとすると、彼女の人生はその様な戦いの連続だったのかもしれません。

彼女にとって「生きる」事は、自分が何者であるかを強烈に発信し続ける事なのかもしれません。

上映中、ずっと彼女はスクリーン越しに私達の胸ぐらを掴んで「私がアリエルだ。」と凄んでいるように感じた。

彼女は自分がアリエルを演じる事を世間がどう思っているかを知っています。

だからこそ、彼女は自分がアリエルに相応しいことを、スクリーンを通じて世界に見せつける必要があったのかもしれません。

しかし、その時点で「無垢なアリエル」など到底無理な話だったのでしょう。

ろじねこさんは、以前ハリー・ベイリーがアリエルを演じることが発表されて、世が混乱している時に、「ファンは好き勝手言ってもいい、作り手は作品で自分達が間違ってなかったことを証明すれば良い。」と書きました。

彼女は皆の望むアリエルを演じるのではなく、新たなアリエルを作ることで、自分がアリエルを演じる事の正しさを証明しようしたのでしょうか?

彼女の強さは間違いなく彼女の魅力です。

しかし、その魅力がアリエルとは決定的に相性が悪かったのでしょう。

もっと強いプリンセスであれば、彼女の魅力も活きたかと思うと残念です。

社会情勢や社内の思惑で、今回黒人をプリンセスに起用せねばならない状況であったのなら、双方にとって悲劇だったのかもしれません。

プリキスの実写化じゃダメだったんですかね?

あと別に気になったことがあります。

実写版リトル・マーメイドのスタッフは、自分達がいま作ってる作品を愛していたのでしょうか?

ディズニーのアニメは「動き」にこだわっていたように感じてます。

そんな変態的なアニメーションにろじねこさんは、

「キモっ」

と、最大級の賛辞を送っていました。

しかし今回の実写版リトル・マーメイドには、そんな変態的なこだわりをあまり感じることが出来ませんでした。

全然変態的ではない映像を見ながら、作り手の中にも実写版リトル・マーメイドに納得していない人もいるのかなぁなどと想像してしまいました。

さて、ひとしきり文句も言ったので、良かったところも書きましょう。

まず音楽。

もはやこれは反則です。

アラン・メンケンの音楽が流れただけで、大抵の問題は許されてしまうほど良い。

これはやはり反則です。

次にアースラ様が良かった。

出典:実写リトルマーメード公式サイト

確かに化粧が若干安っぽくはありましたが、アニメから飛び出したような完璧なアースラ様でした。

強くてデカくて悪いという、ろじねこさんの大好物です。

アースラ様の出番が来るたびに、ニヤニヤしてしまいました。

そして次に好きだったのはグリムスビーです。

最初は嫌な奴かなぁと思いましたが、これがまぁいい人。

基本的にクズかロマンチストか自己中しかいない世界で、ほぼ唯一と言っていいほど王子と王家と国家の事を考えて行動できる素晴らしい人物でした。

後半はグリムスビーが出る度に胸がキュンキュンしていました。

グリムスビーを見たいが為だけにもう一度見てもいいくらいです。

ということで、何かと話題になっていた実写版リトル・マーメイドでしたが、ろじねこさんにとってはいまいちな感じでした。

実は今回はディズニーJCB会員のみの特別上映会で鑑賞したのですが、

上映前にディズニー社の方からの挨拶があり、良かったと思ったら上映後に拍手をお願いしますとの旨のお話がありました。

そして上映後、劇場では拍手が起きました。

が、その拍手は万雷とは言えなかった様に思えました。

うたプリの映画の後にはもっとすごい拍手が起こっていました。(ほぼ毎回)

今回の様なディズニーJCB会員限定のイベントであれば、もっと拍手が起こっても良かったと思うのですが、

これはろじねこさんが、お気に召さなかったからそう感じたのでしょうか?

それとも同じ様な感想を持った人が多くいたので、拍手が弱かったのでしょうか?

少なくともろじねこさんにとっては、上映前の様々なノイズを一発で吹き飛ばすような作品ではありませんでした。

一応念の為に書いておきますが、アリエルを黒人を演じた事が気に入らなかったわけではありません。

彼女とアリエルの相性が悪いと感じただけです。

でも実写化の際に、人種にとらわれずキャスティングする事がポリコレ的に正しい振る舞いであるのなら、日本はとてもポリコレ先進国なのかもしれないと思えてきました。

日本の実写化は、人種を変えるどころか、性別まで変えてきますから。

ディズニーがポリコレを語るのであれば、まず実写版プリンセスを男にしてからにしてほしい。

実写化大好きディズニー社ですが、とりあえずモアナの実写化が決まっているようです。

モアナが男性になっていたら、ろじねこさんのせいかもしれません。

今のうちに謝罪しておきます。

ごめんなさい。