サバラ!! 楳図かずおさん

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漫画家の楳図かずおさんが亡くなりました。

ブログではあまり触れませんでしたが、ろじねこさんは楳図かずおさんの作品が大好きでした。

世代的に楳図かずおさんの全盛期を体感した世代ではありませんが、大人になって読んでみてとても感動し記憶があります。

ろじねこさんが楳図かずお作品の中で、最初に本格的に読んだ作品は「漂流教室」です。

出典:楳図美術全集

漂流教室は、ろじねこさんが多感な年頃に差し掛かる時代には、完全に古い作品になっていました。

そんな中、知人が「漂流教室はいいぞぉ~」と、しきりに勧めて来ていました。

でもろじねこさんは「どうせ『古い作品の良さが分かる俺かっこいいだろう?』とでも思ってるんでしょ?」とたかをくくって、漂流教室を手に取る事はありませんでした。

そして大人になったある日、ふとその知人の言葉を思い出し、気まぐれに漂流教室を手に取りました。

そして次の瞬間には読破していました。

なんて面白いんだろう!

繰り返し、何度も何度も読みました。

子どもたちが学校ごと未知の世界に飛ばされ、その世界の中で、時に協力し、時に憎み合いながら生き抜いていく。

確かにいまのマンガに慣れた読者には難しい展開もありましたが、それを補って余りある程素晴らしい作品です。

その後、いくつかの楳図作品を読みましたが、やはりろじねこさんが大好きなのは「わたしは真吾」です。

漫画界に震撼させた名作で、楳図かずおの類まれなる才能を改めて世に知らしめた傑作中の傑作です。

小学4年生の男の子と女の子、そして知能を持ってしまったロボットの物語で、

いま、盛んに話題に上がるAIを40年前に先取りした作品です。

これまた今のマンガに慣れた読者にはつらい展開も多々ありますが、こちらもそれを補って余りあるほどの名作です。

もうご高齢だったので、そう遠くない未来にこんな日が来るのは覚悟していましたが、やはり寂しいです。

この世界は、明るく陽のあたる場所だけではありません。

暗く息苦しく陰鬱とした残酷な場所もあって、そんな得体のしれない重い何かに覆いつくされている様な世界を生きている人達もいるのです。

楳図かずおさんは、そんな世界を描いていた様に感じておりました。

ただただ残念で仕方ありません。

心からご冥福をお祈りいたします。

サバラ!!